曽祖母の時代から使用している釜を使った国産大豆の豆腐と、遠く北海道でも評判の肉厚のあげが有名な豆腐店。地元向けに日用品も取り扱っています。豆乳プリンも絶品♪
施設概要
地図
「おいしいから来ます!」村外からの客も『志賀食料品店』
福岡、大分といった隣県はもちろん、山口など遠路はるばる、名水を求める人がひっきりなしの池山水源(産山村田尻)。その名水を使った豆腐を手作りしているのが同じ地区にある「志賀食料品店」(産山村田尻348-3 電話0967-25-2175)だ。
「ここの豆腐は生で食べると最高!」と話すのは、大分県日田市の瓜生幸雄さん(74)。車で1時間かけて池山の湧き水をくみに来る際に、志賀食品店の豆腐を買って帰るという。「体に合うので2カ月に1度は水をくみに来ます。必ずここで豆腐を買って帰る」という。
この店をひとりで切り盛りするのは志賀英子さん(62)。祖母の代からの食品店だが、跡を継いだ父・山部茂さんが63歳で亡くなり、母のキクノさんの豆腐作りを手伝うようになった。「私は嫁に出ていたのですが、兄が店を継がず、祖母が遺言で『英子にやらせて…』と言っていたので豆腐作りを始めました」
朝が早く、冷たい水を使う豆腐作りは重労働だ。水に浸した大豆をミキサーにかけて、昔から使う大釜で炊いて豆乳を搾り、にがりを入れて豆腐を作る。並行して油揚げを作るなど忙しい。

使い込んだ大釜で大豆を炊く
「母と2人のときは夜中の3時から、亡くなってからは2時から仕込みを始めます。本当は6時開店なんですが、5時過ぎにはお客さんが来られるので、それに合わせていますね」
水は池山の名水だが、豆も国産大豆にこだわり続ける。「やはり安心安全ですからね、国産は。豆腐作りは母からの見よう見まねでやってきましたが、同じように作っても毎日の天気や温度によって、できが違います。40年近くやってようやく分かってきたかなって思います」

大きな豆腐が人気だ
村内はもちろん、遠くから買い求めに来る客が多いが、「ここの豆腐を食べて死にたいなんておっしゃる方もいて、思い出すと涙が出ます。いろいろな人との出会いが私の宝物」

人との出会いが宝物という志賀さん

無料のおからも…
大振りの豆腐が1丁240円、油揚げは140円(2024年4月時点)。おからは無料で提供。
「これからもおいしい豆腐と言ってくれる方のためにがんばりたい」と話す。